2009年6月22日月曜日

「ルーが足りない」から始まる人間の喜怒哀楽

先日カレー屋でこんなことがあった。
僕はオーダーを済ませて、カウンター席でメニューを見ていると、
隣の中年男性が
「ルーが足りない」と女性従業員に一言。
どうやら白飯の分量に対し、ルーが足りなくなってしまったようだった。

すると女性従業員、
「ルー追加のトッピング券がございますよ」と笑顔で返答。
(「ルーを食べ過ぎてご飯があまちゃったのね(笑)」的な解釈だと思われる)

この呑気な返答が引き金となり、中年男性のスイッチが完全に入った。凄い剣幕で怒りだしたのである。
中年男性「ルーの量がご飯の比率と合ってないといっているんだ!!店長呼んでこい!(怒)」

突然、店内に響き渡る怒声。
女性従業員はというと・・・突然噴火したその声に、ハトが豆鉄砲。
僕は、その反応に一瞬吹き出しそうになった

そして、どこからともなく腰に手を当てて足早にやってきた店長。
暗雲な表情を浮かべ、これでもかと言わんばかりに謝るわ謝るわ。
必死にトラブルを抑えたいという感情が見え見えの、もはや誠意なのかどうかわからない対応で。
僕は、怒っている人の手前、謝りながらも自分でどんどん火に油を注いでいるような店長の対応にもまた、吹き出しそうになった。

その様子が申し訳ないが本当に面白かったのである。

怒っている人。驚いて慌てた人。不安そうにやってきて、とにかく申し訳ないと謝っている人。
それを見て笑いをこらえる僕。この狭い空間でこんな色んな感情の人間がが入り交じっていること。
ルーがなくなったカレー皿を目の前にして大の大人たちが、必死になってプライドをかけて立場を守っていること。
大人だから怒るのも必死・・・不条理と思いながらも立場を守るのもまた必死、笑いをこらえるのもこれまた必死。
まるで・・・喜劇じゃないか。

結局その場は、地べたに額を擦り付けんばかりの店長の対応に中年男性が折れ。男のルーのおかわりは通らなかった。
中年男性は帰り際吐き捨てるように「値段の価値はなかった」つぶやいて出ていったが、しっかり残った飯をたいらげていた。
「食べるんかい!!」である。

一連のやりとりを見ていた僕を含めたカレーを待っている人達。オーダーしたカレーのルーは明らかに増量されていた。
「ご飯一口に対するルーの分量の比率は人それぞれ、大人の対応が必要だな」と感慨深くなりながら水を手にした・・・

が、この水が本当にいけない味がしたのである。
「店頭にミネラルウォーター使用と書いてあるのに、なんだこの冷蔵庫の氷が溶けたような味は!」
沸々と怒りのようなものがこみ上げて来たが、ぐっと言葉を飲んだ。

つまり、何を感じたかというと
「結局、人間はみんな喜怒哀楽がコロコロと変わる生き物なのだ」ということ。

カレールーの割合

1 件のコメント:

  1. 笑わせてもらいました。
    ルーが足りなくて怒る人なんているんですね。理由がアホ過ぎて、実は店を試していたのでは?と勘ぐってしまいますが、真剣に怒っている様子なのでそれはないんでしょうね。
    ご飯とルーの量なんて無意識に調整しながら食べるものじゃないんでしょうか。無計画というかなんというか…。
    それとも、いつも行くカレー店がおかわり自由だったんでしょうか。その中年男性についていろいろ考えてしまうなぁ。

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